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あおさんのブログ

こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。

   
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いつもの私のブログにはない、ちょっと深遠な、趣のあるタイトルでスタートしました今日のブログです。



これは、広島市西区の太光寺の副住職である東和空さんの発案で、天城流湯治法杉本錬堂さんから始まったウェブによるメッセージ・リレーです。
バトンを受け取ったか人が3日間こころとからだの平和について思うところを書き、そのバトンをまた次のお二人の方に渡してゆくそうです。

……ということは、メッセージを発信する方が、日増しに増えてゆくということですね!!
今、いったい何人の方がこのバトンを受け取って「心と体の平和」についてメッセージを送っているのでしょう? それを思うとなんだか不思議な気持ちになります。ポーンと宇宙の真ん中に飛び出して、周りでチカチカと信号を発する星々を見ているような気分です。

今日から3日間、パフォーミングアーティストのオーハシヨースケさんからこのバトンをお預かりし、メッセージを書かせていただくことになりました。どうぞよろしくお付き合いくださいませ。

さて、第一日目に何を書こう?
……いろいろ考えましたが、まず自分の得意分野から始めようと思います。

私は音楽大学を卒業しました。リトミックを専攻する学部に在籍して、音楽と体と表現のつながりについて学びました。4年間の学生生活の中でたくさんの印象的なことを教えていただきましたが、音楽心理学の授業で先生がおっしゃったこの一言は今でも時々思い出します。大命題!と言うことではないのですが、トリビア的におっしゃった先生の一言が私にはとても意味のあることとして今も心に残っています。

「音楽が人を感動させるのは、そこに日常とは違う呼吸があるからです。」

例えば、息を吹き込んで音を出す管楽器で、あるフレーズを演奏すると、そこにはいつもよりも強くて長い呼吸が生まれます。その演奏者の呼吸に聴く人が誘い込まれると、自分も同じような「いつもと違う呼吸」をしようとする。そうすると、それが酸素供給のメカニズムとしては異常なと言うか、ある種の非常事態を呼ぶわけですね。その「大変だ!」感が、感動にかわるんです。

なるほど……。
そうだったのか。

ちょっと端折った説明になってしまいましたが、伝わりますでしょうか?
その時の私は結構素直に感心したのを覚えています。

音楽が人のからだや意識にもたらす作用について説明したものに、もう一つ印象的なことがありました。私が専攻していたリトミックの実習の中にあった音楽のキャラクターに関することです。

音楽の三要素は「メロディ/旋律」と「リズム/律動」と「ハーモニー/和声」です。それぞれに、個性を持った運動を呼び起こします。

メロディ、特に単旋律は、人に集中と上昇感を意識させます。
それに対してリズムは原初的な興奮と、大地へ根ざす下への動きを生み出します。ビートを感じると、自然に足を踏み鳴らしたりしますよね。あの感じです。
そしてハーモニーが広がりを生じさせ、カタルシスを感じさせます。

この三要素の個性を感じていただくために、二つのアメリカ国歌を比べてみましょう。まずはオーケストラの伴奏とコーラスによる演奏です。(演奏は10秒過ぎから始まります)



いかにも力強い、高揚していく開放感のある曲だと思います。広がってゆくハーモニー、シンプルに強調されるビート(拍)、それがこの曲が持つ基本的なキャラクターだと思います。

では同じ曲を、こんどはア・カペラ(無伴奏)の独唱で聴いてみましょう。この曲の持つ主要なキャラクターがリズムとハーモニーから、メロディにとってかわります。


歌っているのが9歳の女の子だというのにも感動ですが、それはさておいても、聴衆がとても集中しているのにお気づきかと思います。
メロディが持つ個性が最大限に発揮されている演奏なのではないでしょうか。
 
同じ曲でもこんなに心への響き方が違う……それを感じていただければ嬉しいです。
 
日常の様々なところで、この「三要素」の効果は応用されています。
 
例えば、ファーストフード系のお店やファミリーレストランのBGMは大概アップテンポでリズムが強調されているものが流れています。来店者が開放的になって、しかもゆったり落ち着くことがないので、客単価アップに加え、回転率アップにも一役買うという仕掛けです。ゆったりと食事を堪能できるような空間を演出しようと思ったら、もっと違う選曲になるはずです。
 
同じような例で極端なものはパチンコ店のBGMとよく言われます。
例えば一昔前なら軍歌がよく流れていました。リズム感があり、テンポも速い曲が来店者をあおります。「軍艦マーチ」なんかが昭和のパチンコ屋のテーマ曲のようなイメージなっていましたね(懐かしい…)。同じ軍歌でもテンポが遅くリズムが強調されない「海ゆかば」なんかは絶対にかかりません。(笑)
 
スーパーマーケットのようなお店でかかるBGMもかなりリズミカルです。特にお店が混んできたときにかかる曲に耳を澄ましてみてください。「この曲が鳴ったら、レジに人がたくさん並んでいるのでヘルプが必要!」と言う合図の曲がどのお店でも決まっているそうですが、私がよく利用するスーパーではビートルズの「ヘルプ!」がその合図の曲になっています。わかりやすいです。(笑)
軽快なアレンジにはなっていますが、BGMのテンポが上がることで、来店者の動きのテンポも上がっているのかもしれません。
 
逆に病院やマッサージなどの施療施設では、来院者を落ち着かせ、リラックスしてもらうためにゆっくりなテンポで、あまり厚いハーモニーや強調されたリズムがないBGMが流れています。いわゆる癒し系の音楽と言われる類の音楽が、そうした特徴を持っています。
 
ここで、こうした「三要素」の効果を非常によく応用しているなあと私が感じている曲を、お聞きいただきたいと思います。
それは日本の国歌「君が代」です。


この曲は、自然に人に威厳を感じさせる編曲がされています。
 
まず、テンポは国歌としては非常にゆっくりです。
ビート感は強調されていません。
 
冒頭はユニゾン(単旋律)で始まります。聞く人に集中と上昇のイメージをもたらします。
次のフレーズでハーモニーが加わります。聞く人に広がりを感じさせます。
やがてゆっくりとしたドラムのビートとローリングが入ってきます。
リズムが加わることで高揚感を感じさせますが、踊りださせるような開放的なリズムではありません。
そして曲の終盤は再びユニゾンに戻ってきます。加えて下降形の旋律となります。これが再び集中を呼び起こします。
 
これをリトミック風に動きにしてみると
手のひらを合わせて腕を上へのばすイメージ。
次にその腕を開いて開放すると、天を仰ぐような形になります。
最後にその手をおろし再び手のひらを合わせると、ちょうど祈るような形になります。
終始、ステップを踏みたくなるようなリズムの躍動感はありません。
 
これが君が代の構造です。
 
歴史的な、あるいは政治的な意味でこの曲をどうとらえるかは、さまざまご意見があると思いますが、それとは全く関係なく、リトミック的に解釈を加えると、この曲には、人をとらえて集中させ、天を仰がせ、またその思いを胸にこうべを垂れて集中させるような仕掛けが施されていると思います。
 
このことに気が付いた時「なんてうまくできてるんだ!」と感動したのを覚えています。

そしてこれにも対極のアレンジを加えた演奏があります。
忌野清志郎の「君が代」です。


 
オリジナル「君が代」の真逆をいった、完全リズム強調バージョンです。
こうなると、演奏の間中、聴衆の身体が止まることがありません。
全身で音楽に反応し、君が代をシャウトしています。
見事です。その見事さゆえに(?)不敬だという強烈なバッシングを受けましたね。

「人を感動させるにはしかるべき構造が必要です。」
 
そう言ったのは楽理の先生だったでしょうか? 当時は大して興味を持たなかったように思うのですが、今なんか急に思い出しました。
 
この文章に結論はありません。
 
人の心に平安を与えることがよいのか、躍動感や高揚感が必要なのか……
一つの答えに収束してゆくようなものではないと思います。
ですが、心と体、外からの刺激とその反応、つながっているんだなあ、ということにどこかで手が届いていればうれしいです。
 
明日……また何を書きましょうか?
 
とりとめのない内容にお付き合いくださってありがとうございます。
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