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あおさんのブログ

こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。

   

カテゴリー「2011 シェイクスピア・ウィーク」の記事一覧

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半年余りにわたって走り続けた『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』

千穐楽から、もうすぐ1ヶ月です。

もう1ヶ月か、早いなあ、とも思えるし

まだ1ヶ月? ずいぶん遠くに過ぎ去ってしまったことのようにも思えるし。

大きなイベントが去ってしまったあとの心理状態はなかなか複雑です。

とりわけ今回は、本格的に準備に取り掛かろうとした矢先の3.11大震災。
そのことはとても大きな意味と、大きなアクションとなって、私をいままでとは違うところに連れていきました。
初めてお会いする方たちとの出会いで、ACT FOR JAPAN、POWER FOR JAPAN という二つのチャリティ・イベントにも加わり、文字通り走り回りました。支援の結果は極々小さなことだったと思いますが、それでもやらずにはいられないアクションでした。

折しも、1月に『リア王』の初顔合わせ(その段階ではまだキャスティングも100%ではありませんでしたね)をして、作品の概要や翻案・演出の方向をプレゼンし、並行して進んでいた2月の『ご臨終』をなんとか乗り切った直後。さあこれから本格的に「リア王」の作業に取り掛かろうとした矢先のことでした。

そして9月の本番まで
考えてみたら、休んでなかったらしいです。


私は、本番が1本終わると、必ず落ち込みます。
イベント・モードのハイテンションが去ると、今まで出まくっていた脳内麻薬が切れて、本当に麻薬が切れたときのようにがっくりと落ち込みます。(あ、でも本人リアル麻薬はやってませんので、念のため)
それと同時に、自分の仕事の至らなさに対する強烈な嫌悪感と劣等感にも襲われます。
ま、それが次への原動力だと思って、その時期はおとなしくするようにしていますが。

それと同時に体じゅうから、ため込んだ疲れが噴出してきます。
疲労感や倦怠感と言った穏やかなものではなく、全身の痛み、発熱、などなどかなり病的な症状になることが通例です。単に、ペース配分が下手なんだと言われることもありますが……。(笑)


ところが今回は違いました。通常本番が終わって3日から1週間ぐらいの間には出てくるこれらの症状が、今回は出ない!! なんと!? 今度の私は今までとは違う人? うまく上手に乗り切れたってことなのかしら!? と思っていたら、逆でした。

ペース配分できたのではなくて……
閉じ込め過ぎだったようです。
『K・リア』の本番から3週間を過ぎて、ようやく体の痛みが出始めました。
整体に行った効果や反応が、やっと体に現れるようになりました。
それもドドーンと……。

まいったね。

もともと気分転換をするのがあまり上手じゃない性格なのは知ってましたが……
休んでなかったんですね、私の頭と体……

現場や作品への集中は途切れさせずに
自分の体には「休んでいいよ」って許可を出せるような才能がが欲しい。
これって無茶な望みなのかなあ???

気分転換上手な方
何かいい方法があったらぜひ教えてくださいませ~!!!


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『K・リア』の本番が終わり
京都から戻って
あっと気がついてみたら……

もう2週間もたっていました。

いつの間に???

近所を歩いていたら、懐かしいあの香りが



キンモクセイの花の香りでした。

私は毎年、この花の香りで「秋」を感じます。

春を感じるのは「沈丁花」ですね、私の場合。。。。

そういえば、毎年同じように感じる香なのに、「またか」と思うことは一度もありませんね。

八百屋さんの前に漂う、甘い焼き芋の匂いも秋から冬の風物詩。。。。
これも飽きるということがありません。

何度であっても新鮮なのは、それが「自然の」もの、「自然な」ものだからでしょうか?

だとしたら私たちが作る作品や演技も、是非そこを目指したいものです。

今回『リア王』というとても大きな作品に立ちむかうことで、「古典」「名作」という大きな存在に、私たちが抱いている様々な偏見や先入観を確認することができたように思います。

それを疑い、ちょっと叩いてみて、おりあらばたたき壊してもう一度組み立ててみる……
そうすると、古典の中に、今の私たちと全く変わらない、裸の人間の姿が見えてきます。
それは時々、あまりにも生々しくて、作品に抱いていた高尚なイメージからかけ離れたりします。

でも、それでいい、そこを目指したい、と思います。

古典的な、あるいは古式ゆかしいことばづかいの上に、下世話な、赤裸々な人間の営みを乗っけたっていじゃないか。いやそうしなければ作品が生き返らない! 私はそう思っています。

生物学者のことばを借りれば、たった数百年で、人間はそんなに進化したり退化したりはしていないのだそうです。

ならば、源氏物語に描かれている人間も、シェイクスピアが創作した人間も、ギリシャ悲劇に登場する人間も、今の私たちと同じようにものを感じ、行動していたに違いないのです。それを私たちは再発見しているだけ。

そうならなければ、その作品が「去年も嗅いだあのキンモクセイの香り」や「毎年待ち望んでいるあの沈丁花の香り」のように出会うたびに新鮮なものにはならないはずです。

何度であっても、毎年新鮮な喜びと共に鑑賞することができるような
あの花の香りのような
そんなものを目指したい

嵐のような、本当に怒涛のひと夏を過ごして、今そんなことを、ある確信を持って言えるようになってきました。

さあ、そして、次の一歩を踏み出しましょう。
次は……

もう一度コメディにもどってまいります!
詳細はまた後日!!!
お楽しみに


今回、京都でとびっきり美味しい新知識&新体験をいただきました。

それがこれです。

甘酒  ほんまもんの「あま酒」

甘酒といえば、酒粕をみりんや砂糖で味付けして、煮込んでアツアツになったものをふうふういただくものだと思っておりましたが……ほんまもんは全然違うのだそうです。

写真にもあるように、米と麹だけで作ってあって、砂糖もなにも加えていない。
そして衝撃的だったのが、ほんまもんの甘酒は「完全ノンアルコール」!!! なのですって。

このほんまもんのあま酒、一部の造り酒屋さんが出しているのだそうですが、アルコールに発酵する前の段階のブドウ糖が甘さを出しているのだそうで、「飲む点滴」ともいえる優れ物!

お酒があまり強くない私が跳びついたのは言うまでもありません。

そしていただいてみると……その甘さの奥が深いこと!!!
しっかりと甘いのに、後味はすっきり。
そして体にしみ込んでゆくように、お腹におさまってゆきます。

この「あま酒」を出してくれるお店に連れて行ってくれた、M氏とS嬢に本当に感謝です!!
完璧にお気に入りになってしまいました。

東京では、ペットボトル入りのものを発見!

甘酒ペット02

思わず迷わず購入して飲んでしまいました。

こちらは、お味噌屋さんが作っているもののようですね。
でもやっぱり、京都のあの味が恋しい……

ほんまもんのあま酒を出してくださるお店は こちら

クウカイ

「クウカイ」という小ぢんまりとしたお店です。

マスター01

ステキなマスターがはんなり迎えてくれます。
もちろんあま酒だけでなく、お料理もおいしい!

酒蔵さんとのつながりも大切にしていらっしゃるそうで、日本酒の品ぞろえとプレゼンの巧みさは折り紙つきです。どうぞ京都にいらしたら、立ち寄ってみてください。

ああ、本当においしかった。。。。あま酒……
『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』

東京公演、京都公演、どちらも無事に千秋楽を迎えることができました。

ご来場くださったみなさま…本当にありがとうございます。

出演してくれた俳優の皆さん…本当にありがとうございます。

力強い後ろ盾となって支えてくれたスタッフの皆さん…本当にありがとうございます。

そして、この貴重なチャンスを私たちに与えてくださった「シェイクスピア・ウィーク」の企画に、心から感謝いたします。

戦いすんで日が暮れて……?

兵どもが夢のあと……?

今はまだ、今回の公演が一体何だったのか?
それを冷静に検証できる状態になっていませんが、いずれ頭も心も体もクールダウンして、真摯に振り返ってみようと思っています。


  いまはわれわれも、
  血と汗にまみれ、友を失い、いかに正義の戦とは言え、
  あの過酷な状況に頭はのぼせています。
  コーディーリア親子のご審議にはもっと適当な
  機会をお選びください。
         (『K・リア』 5幕3場 エドマンドの台詞より)



今回の公演には、たくさんの奇跡的な出会いがありました。
ふつうこんなに都合よくいかないでしょ!? と思うようなことがいつもギリギリでおこり、滑り込むようになにかを実現してくれました。
(できればその奇跡が、ギリギリじゃなく、もうちょっと早めにやってきてくれたら、もっとありがたかったのですが??(笑))

少なくとも、その奇跡のおかげで何とかクリアできたあれやこれやが、自分の力だなどと過信しないよう、肝に銘じるところからスタートしようと思います。
『K・リア』という作品に対する審議の席では、私は誰なのでしょうね?
コーディリア?
リア?
エドマンド?
それともオールバニ?
そんなことを考えたら、ちょっと楽しくなってきました。

「正義」とか「正しい判断」といわれるものの正体は一体何なのか?
「古典」の中に描かれている人間の姿は、私たちに何を伝えようとしているのか?

そんなことを、ゆっくりじっくり振り返ってみる時間を持ちたい……
そんな風に思っています。


なにはともあれ……


関わってくださった全ての方たちに、大きな感謝をささげます。


本当にありがとうございました。
『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』は昨日無事に初日の幕を開けました。
ご来場いただいたお客様には、心より御礼申し上げます。
おかげ様で、笑いと涙の両方をお客様からいただいております。
幸せな初日でした。

そして続く二日目の今日は、客席がほぼ満杯!!
うれしい日が続きました。

さて……『リア王』は悲劇です。

悲劇は「悲しいお芝居」です。

でも笑ってもいいんです!! と私は思います。

シェイクスピアは、悲しい芝居や、シリアスな芝居の中に、意表を突いた「笑い」の要素を組み入れるのがとてもうまい作家だと思っています。あの『ロミオとジュリエット』にも、『ハムレット』にも、『マクベス』にも、笑いを誘うキャラクターや、楽しく和むシーンが書き込まれています。

ちょうどそれは、オペラ・セリアの幕間にかけられるインテルメッツォ(幕間小喜劇)や、お能と共に上演される狂言、といったものに近いかもしれません。

フルコースの間に出てくるシャーベット
カレーライスに添えられる福神漬やラッキョウ
アイスクリームに昔よく添えられていたウエハース……

味や触感を変え、最後までおいしく食べてもらうための一工夫……
それがシェイクスピアの芝居のなかでは「笑い」のように思います。

そしてさらに見事なのは、さっき笑って見ていたこの人が、笑っていられない状況に追い込まれる、芝居の重要な歯車として、逃れられないところに絡め捕られる……その無駄のなさが絶妙なのです!!

最初笑ったおかげで、あとの悲しみや苦しみが一層強く感じられる……
そうなんですね。ふむふむ……
そうなると、悲劇に笑いは必要不可欠なように思えてきます。

『リア王』にもそんなシーンが入っています。
どうぞ「何これ、おかしい!!」って思ったら、ご遠慮なく笑ってください。
「おかしい」シーンも「ちょっとヘン」なシーンも取りそろえてお待ちしております

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グループAKT.T+ぐるっぽ・ちょいす公演 
『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』


シェイクスピアのあの名作で遊びまくる!
主役は三人の娘たち!!


東京公演: 9月10日~13日 武蔵野芸能劇場
京都公演: 9月17日~18日 京都府立文化芸術会館

*ぶんげいマスターピースVol. 3 「シェークスピア・ウィーク」参加作品
*京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2011」提携公演
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