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あおさんのブログ

こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。

   
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昨日は1日かけて、二幕四場の稽古をしました。
同じタイトルの稽古場リポートが、K・リア公式ブログにございます。
結構ツボで、一人で大笑いして読みました。

二幕四場は、『リア王』という芝居のなかでは物語の分岐点となるとても重要な場面です。

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長女ゴネリルのところに身を寄せていたリアが、対応に不満を抱いてリーガンのところに向かおうとします。
一方、ゴネリルからの手紙で、ことを重大と捉えたリーガンは邸を出て、信頼のおける家臣グロスターのところへ身を寄せ、相談に乗ってもらおうとします。

しかし、そのグロスター自身は、息子エドガーが自分の命と財産を狙っているというデマに踊らされ、それを仕組んだエドマンド(エドガーとは腹違いの弟)のでっち上げた刃傷騒ぎがもとで、息子を指名手配にかけることになるという大事件の渦中にあって、気も動転しているさなかでした。

こうして情報と人の思いが交錯するなかに、遅れてやってきたリアと、ゴネリルが合流し、一同勢揃いのなかでそれぞれの立場から、それぞれの思惑がぶつかり合い、絡み合い、最後にはリア王が荒野へ飛び出してゆくのです。
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大概の公演では、ここでゴネリルとリーガンがいかに非情に、親不孝に、身勝手に、リアを追い込み、城の外へ追い出すかという点がクローズアップされるように思います。

ですが今回のカンパニーでは違う点に注目しています。

実はよく見ると、このシーンのなかでは、誰も一言も
「リアにうちに来てほしくない」
「お父様出ていきなさい」
とは言っていないのです。
それでもリアは結果的に一人で荒野へ飛び出していきます。

争われている点はどうも違うところにあるようです。
すれ違いのカギになるもの、それが100人の騎士たち……

リアにつき従っている騎士たちが、どんな人間たちの集団なのか?
ゴネリルは「乱暴で礼儀知らず。おかげでうちは女郎屋のようになっている」と主張します。
一方リアは「わしの騎士は選りすぐりのものだけだ」と言い張ります。
どちらが本当なのか? 百人の騎士たちは実際には舞台上に現れませんので謎のままです。

暴力の危険から家庭の平安を守ろうとする主婦、ゴネリルとリーガンにとって、このときのリアは年老いて引退した父でしかありません。
しかしリアの人生経験のなかには「王となる人間」「王である人間」としての生活態度しかありません。
リアは、いままで行使できた「王の大権」までも、婿たちに譲り渡してしまっていますから、感極まってもなに一つ言い渡すことができません。一幕一場でやったように「おまえを追放する」や「王として命令する」と言う力まで、全て譲り渡してしまっているのです。

さしずめ、会長職にありながら、会社の株まで全て手放してしまったような状況でしょうか?

それでも周りが、「王」という名前を、象徴的に持っているだけで、自分を「王」として扱い続けてくれると疑わなかったリアの誤算でした。

一方的な善悪ではなく、それぞれの立場が浮かび上がって、やむにやまれず自体があらぬ方向に転がり出す……。二幕四場がそのカギを握っています。

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グループAKT.T+ぐるっぽ・ちょいす公演 
『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』


シェイクスピアのあの名作で遊びまくる!
主役は三人の娘たち!!


東京公演: 9月10日~13日 武蔵野芸能劇場
京都公演: 9月17日~18日 京都府立文化芸術会館

*ぶんげいマスターピースVol. 3 「シェークスピア・ウィーク」参加作品
*京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2011」提携公演
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脱稿しました。

とうとう台本を書き上げました。

というより、もう印刷しなきゃいけない時期なので、してもいいよバージョンをまとめ上げました。
というのが正直なところかもしれません。

当初の予定よりも1ヶ月以上遅れました。
いろいろ言い訳したいようなこともあるにはありますが
それよりも何よりも、「リア王」という戯曲が、本当に大きな作品だったということが、この作業時間を要した大きな原因だったように思います。

読み込めば読み込むほど、あらゆるエピソードが緻密に絡み合っていて
簡単にちょいちょいっとアレンジすることを許してくれない、本当にすばらしい作品でした。

今回の公演のための作業を通して「名作」と呼ばれる作品の大きさを目の当たりにすることができました。堅牢な城壁に、小さなシャベルで戦いを挑むような作業でしたが、ようやく這い登る手掛かりを作り上げることができました。

続きの作業は稽古場に持ち込まれます。

俳優さんの肉体を通して
美術プランや衣装や小道具を通して
音楽、サウンド・エフェクトを通して
さらにさらに作品は深まり、その姿を変えてゆくと思います。

姿を変えながら
それでいて原作が内包しているコアな部分に近づく
そんな作業の第二段階が、これから始まります。

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グループAKT.T+ぐるっぽ・ちょいす公演 
『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』


シェイクスピアのあの名作で遊びまくる!
主役は三人の娘たち!!


東京公演: 9月10日~13日 武蔵野芸能劇場
京都公演: 9月17日~18日 京都府立文化芸術会館

*ぶんげいマスターピースVol. 3 「シェークスピア・ウィーク」参加作品
*京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2011」提携公演
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私は「まいない」を受け取ってしまいました。
しかもそれを、完全に私的に着服してしまいました。
こうなったからには、包み隠さず白状いたします。

これがその証拠の写真です。



実は去る7月の30日。
ところは京都の文化芸術会館。
『K・リア』のアンサンブル選考を兼ねたワークショップの会場で
一人の男性が私にすすっと歩み寄り
 「これは京都の菓子にございます」とくぐもった声で話しかけてきた。
男は何気なさを装って、ぽんとその菓子をテーブルの上に置くなり
部屋の隅に去っていこうとした。
そこで私は尋ねた。
「これは賄賂か?」
「よくおわかりで」

とっさに私は「では、東京の稽古場でみんなでいただきますね!!」と明るさを装いながら答えたが、その実、その菓子を自宅に持ち帰り……食べてしまったのだ。

……おいしかった……
……ごちそうさまでした……

稽古場には何食わぬ顔をして、別の菓子を届けておいた。
その顛末は、K・リア公式ブログに記されている。
だが、一抹の罪悪感が……

なので罪滅ぼしに告白しておくことにした。

京都でのアンサンブルのメンバーもまもなく発表になります。
この賄賂は功を奏するのかどうか???

それは謎だ。

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グループAKT.T+ぐるっぽ・ちょいす公演 
『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』


シェイクスピアのあの名作で遊びまくる!
主役は三人の娘たち!!


東京公演: 9月10日~13日 武蔵野芸能劇場
京都公演: 9月17日~18日 京都府立文化芸術会館

*ぶんげいマスターピースVol. 3 「シェークスピア・ウィーク」参加作品
*京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2011」提携公演
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 7月29日から31日まで、二泊三日で京都に行ってきました。

……と言うと優雅ですが……お仕事です。

ぶんげいマスターピース工房Vol.3 「シェイクスピア・ウィーク」の記者会見が大阪で行われ、まずはそこに今回のリーダー辻輝猛さんと出席してきました。 「シェイクスピア・ウィーク」で作品を上演するもうひと団体「ミクニヤナイハラプロジェクト」の矢内原美邦さんとも久しぶりにお会いして、和やかなひとときとなりました。

そのあと、京都の府立文化芸術会館で三日間にわたるワークショップです。今回の京都公演では、地元の俳優さんたちがアンサンブルとしていっしょに舞台にのってくださいます。今回のワークショップは、そのオーディションも兼ねたものでした。
ワークショップでは今回底本に使わせていただく小田島雄志さん翻訳の『リア王』をもとに、即興をやったり、コレグラフィをしたり、盛りだくさんな内容で、4コマ。トータル13時間に及ぶセッションでした。

充実してました。
たくさんの発見がありました。

そして、皆さんとの出会いが本当に貴重なことでした。

ワークショップのことで頭がいっぱいになっていたせいか、せっかく持っていったカメラをとりだすことも忘れておりました。宿から会場までは京都御所のど真ん中を突っ切り、目の前には大文字焼きが灯される山肌が見え、東京ではめったに聞くことができないクマゼミの大合唱がシャアシャアシャアシャア関西の夏を演出してくれていたのに!! 残念でした。

この次に京都をおとづれる時にはもう少し落ち着いて京都を堪能したいものです……と、一応願っておこう。

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グループAKT.T+ぐるっぽ・ちょいす公演 
『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』


シェイクスピアのあの名作で遊びまくる!
主役は三人の娘たち!!


東京公演: 9月10日~13日 武蔵野芸能劇場
京都公演: 9月17日~18日 京都府立文化芸術会館
*ぶんげいマスターピースVol. 3 「シェークスピア・ウィーク」参加作品
*京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2011」提携公演
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念願の!! 『K・リア』のオフィシャルサイトがオープンしました!!

『K・LEAR』

チラシのデザインともリンクして、ステキです。

チケットの予約もできます。
携帯サイトもあります。
出演者の横顔や、稽古の様子を伝えるブログもあります。
出演者のサイトにリンクもしてます。

うーん至れり尽くせりだ~!

って書いていたら、ふっと頭に浮かんだものがありました。
電車の切符の自動販売機……

むかし、あれが出てきた頃、よくこんなただし書きがついてました。

「おつりも出ます」

自動販売機なんだから、もちろん切符は出てきます。
しかも、おつりもちゃんと出てくるから、すごいでしょ! というもの。
今考えると、笑っちゃうんですけどね。
切符も出る。しかもおつりまで出る。自動販売機。

その後機能は進化して、ただし書きも変わりましたね。

「千円札使えます」
「五千円・一万円札対応」
そして印象的だったのが
「新札対応しています」(お札のデザインが変わったときです)
「二千円札使えます」(これはなんだか特別に見える??)
さらに続いて
「特急券・指定券買えます」
「スイカ(パスモ)対応」
「定期買えます」



どんどん新しいただし書きが増えていきました。
なんだかそれがとても面白く見えたのを思い出しました。

時代が変わると、あたりまえも変わってきて、便利も変わっていきますね。

それでも、いつの世にも、変わらないものもある……
それが「ひと」の生きざまのような気がします。
歴史の波をくぐって、なお生き続けている名作には
その「ひと」ががっちりと描きこまれています。

本当に読めば読むほど発券が、あ、自動券売機じゃありません(^_^;)、発見があるんです。

『K・リア』では、そこをとことん追いかけていこうとしています。

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グループAKT.T+ぐるっぽ・ちょいす公演 
『K・リア ~ヒメミコタチノオハナシ~』


シェイクスピアのあの名作で遊びまくる!
主役は三人の娘たち!!


東京公演: 9月10日~13日 武蔵野芸能劇場
京都公演: 9月17日~18日 京都府立文化芸術会館
*ぶんげいマスターピースVol. 3 「シェークスピア・ウィーク」参加作品
*京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2011」提携公演
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