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あおさんのブログ

こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。

   
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久々のブログ更新です。
ここのところは月一更新……
シビアにものを考えるポイントに差し掛かると、ブログは書きづらくなる、そんな私です。(笑)

さて、今年印象に強烈に残った、おもしろい映画が2本あります。
1本は、以前ブログでもご紹介した『おとなのけんか』
もう一本は大ヒット中らしい『最強のふたり』
どちらも楽しめました。

でも(と言っては失礼ですが)、片方の大ヒットに比べてもう一方はとても評判が地味。

『最強の二人』は、映画館の満席率が半端ない数字をたたき出しているとか、フランス映画だけど字幕上映のアメリカでも大ヒットとか、ハリウッドでのリメイクがすでに決まっているとか、ともかく派手な評判が耳に届いてきます。

『大人のけんか』の評判だって、私が聞く限り、全然悪くないのです。
見た人の評判はみんなとてもいい。
でも反響はとてもおとなしいように感じる。
そもそもフランス語の戯曲をアメリカを舞台に翻案した映画だから、ハリウッドでリメイクということはありえないし……。

どちらもコメディ……
違いはどこから来るのでしょう?
シチュエーションのインパクトの差かなあ?
それがドラマティックに、感動的に映るかどうかという点かなあ?

『最強の二人』は、スラム出身の黒人と、首から下が完全にマヒしてしまった男の出会い。
周囲の反対や心配をよそに、二人は深い友情と信頼で結ばれていく。
すごく乱暴な言い方をすると、被差別階級の被差別人種の男が、金と地位はあるが障害者という社会的弱者である男と出逢い、そこからハッピーが生まれる話。何もなければ接点はないはずの2人が出会う、そして互いに許しあい、高めあう関係になっていく。かけがえのない2人になっていく。
……ドラマティックだ……
それを涙ではなく、笑いながら追っていくのが、見ていて心地よかった。

一方の『おとなのけんか』にはそういう派手さは全くないのですね。感動もない。でもおかしい。
二組の夫婦。息子が同級生。子供たちのけんかの仲裁に、親がしゃしゃり出て、何とか和解をしようと話し合うが、それは意外な方向に脱線して、なんだかカオスな状況になる。
何も解決しないし、誰も成長しないし、そこから何も生まれない。それをのぞき見するように見て笑う。
思い当たる節、チクリと刺さるようなやり取りが山ほど出てくる。どこまでもリアリティがある。
面白いんだけど、ちょっとそれだけではないような苦さが付きまとった。
……おとなげないロードショー……というキャッチコピーがやけにピッタリでおかしかった。

そんなところが大ヒットするかどうかの差なのかなあ?
もちろんそれだけではないとは思いますが……

売れる作品を作るか、いい作品を作るか……
それが両立することが必要なのか?(多分もちろんそう)
いい作品を作ることが売れることにつながるのか?(多分それもそう)
売れなくても、いい作品を作りたいんだ!(と、これはよく聞くフレーズ)
売れれば、社会がそれをいい作品にしてくれるんだ。(これを豪語する人もたまにいる)
売れることを狙ったって作ったって、はずれる時には大ハズレ。(これも言えてる)

なんだかなあ……
作ることにどっぷりになると、そんな物差しはどっかへ行ってしまうんだなあ……

そんなことを、また思い起こしてしまいました。

『おとなのけんか』はDVDも出ました。
『最強の二人』は全国ロードショー中です。
どちらもお見逃しなく!


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