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あおさんのブログ

こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。

   
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過日、めでたくつつがなく……

嫁ぎました。

なんていう書き出しで始まるときは、決まってなんか自分のこととは違うことを意味ありげに言っているだけだったりするのですが

ほんとうに嫁ぎました。




SPレコードが……。




はい、やっぱりそうでした。
すみません。


でもなんで「SPレコード」なのかって……そこは聞きたくなりません?
でしょでしょ、なるでしょ!?
と勝手に決めて書き進めます。m(__)m


それは今をさかのぼることおよそ7年前……
この作品のために購入したものなんです。

モーリス・パニッチ作 「ご臨終」


その時のブログがこちらです。
http://atsukoaoyagi.blog.shinobi.jp/Entry/34/


この芝居の中に、ケンプという男が、激高して、蓄音機でかけていたSPレコードを床に叩きつけて割るというシーンがあったんです。

「うーん…SPレコードを叩き割るってどんな感じだ??」

今手に入るLPレコードとは全く素材が違うらしいSPレコードの、割れる方、飛び散り方を確かめるために古道具屋で買った1枚のSPレコード。
収録曲も演奏者も全く確かめずに、ただSPレコードだったからというだけの理由で、叩き割るために買った1枚……


ところが、いざ実験!となったときに、やっぱりどうしても割る勇気が出なくて……だって、レコードですよ!? 演奏が、音楽が入ってるんですよ!
……というわけで、そのまま後生大事にしまいこんでいました。

そのSPレコード君が、この度めでたく蓄音機演奏家のオヤビン佐藤さんのもとに嫁ぎ、なんと立派に演奏されたのでございます。

 
こちらのダンディーな方がオヤビン佐藤さんです。

蓄音機でSPレコードを聴く会を2ヶ月に1回のペースで開催していらっしゃるのですが、そこに持ち込んだところ、この盤についてもいろいろ調べてくださり、実際に蓄音機で音を聴かせてくださいました。

このレコードに吹き込まれていた演奏は
Richard Crooks / リチャード・クルックスというテノールの歌声。
片面には「De Camptown Races / 草競馬」
裏面には「My Old Kentucky Home / 懐かしきケンタッキーの我が家」←ケンタッキー・フライドチキンのCMでおなじみの曲です。
どちらもアメリカを代表する作曲家、フォスターの名曲です。

この日は「ケンタッキーの我が家」の方を聴かせていただいたのですが、これが何とも想像をはるかに超えるジーンと胸に響く素晴らしい演奏……
一緒に聴いていた方から、思わず「割らなくてよかった!」と声があがるほどでした。
オヤビンからも「名盤でしたね」と言っていただき、嬉しいやらホッとするやら……

調べて見ましたら、このリチャード・クルックス(1900年-1972年)という歌い手は、ニューヨークのメトロポリタン・オペラの看板歌手だったという、押しも押されもしない実力者でした。


こちらが若き日のリチャード・クルックス氏(Wikipediaより)

どおりで……名演奏なわけです。

音源は、戦前(1936年)にレコーディングされたもので
それを戦後に再プレスしたものだそうです。


そんなことまでわかってしまうんですね!! すごいです。


……というわけで、オヤビンのもとへお嫁入りしたわがSPレコードちゃん

これで末永く、演奏してもらえます!

……といったら、オヤビンから「テノールだから、お婿入りかな?」と言われました(笑)

いい音をありがとう!!

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