あおさんのブログ
こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。
- 2024/11/22 (Fri)
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- 2014/01/30 (Thu)
岸田國士 作『カライ博士の臨終』
昨日に引き続き、南青山マンダラ PRESENTS READING LIVE 2014
「岸田國士を読む」で取り上げる作品をご紹介しましょう。
『カライ博士の臨終』
これが二編目の作品です。
この作品、何と言っても個性的なのがそのタイトルです。
都合上『カライ博士の臨終』とだけ言っておしまいにしてしまうのですが、実はその後にとんでもないサブタイトルがついています。
それがこちら……
人生の最も厳粛であるべき瞬間に、わたくしがもし笑ひの衝動をおさへることができぬとしたら、いったいどんな罪に問はれるであらう?
というもの……。
長いです。びっくりな長さです。
もう二時間サスペンスドラマか!!と見まごうばかりです。
こんなサブタイトルを昭和26年(1951年)に考え出しちゃう岸田國士って、どんな発想力をしていたんでしょうねえ!!? 頭の中をのぞいて見てみたくなります。
ちなみに、世界で一番長いタイトルを持つ映画と言えばこれ。
こちらはDVDのパッケージです。残念ながら日本語版はない模様…
通称「マラー/サド」と省略されますが、このタイトルを全部言うとこんなになります。
マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺
長いです。覚えられません。
いつも「あの長いタイトルの映画」と言ってごまかしてしまいます。(^_^;)
こちらは1964年にドイツで発表されたペーター・ヴァイスの戯曲。
それが1967年にピーター・ブルック監督で映画化されました。
さて、お話を『カライ博士』に戻しましょう。
この物語は、タイトル通り、加来典重という一人の哲学者が臨終の床にある、その周りで繰り広げられるあれやこれやを、これまたさりげなく描いた作品です。
当時の日本はGHQ占領下。
戦前、戦中からあらゆる価値観がひっくり返った大変な時期でした。
……と戦争を知らない世代の私などは簡単に言ってしまいますが、その価値観の変化は、とても大きなものだったことは想像に難くありません。
私の父などは、その頃のことは聞いてもなかなか話してくれません。未だに記憶を呼び覚ますことに抵抗があるようです。それだけのものを多くの人が無理やりに背負った時期。それが敗戦の意味するものだったのではないでしょうか。
そんな中、この作品は戦後の新時代を象徴する雑誌「世界」(岩波書店)に掲載されました。
今も出版されている、この硬派な雑誌に掲載された作品。人間臭い部分をていねいに織り込んでいながら、ホームドラマに陥らない「高さ」感じます。
とはいいながら、堅苦しくならないところが岸田國士の岸田國士らしいところ。
そのあたりは稽古を進めるたびに毎回発見をしては舌を巻いております。
さて、カライ博士の臨終の枕元でとんなことが起きるのか?
どうぞその目撃者となってくださいませ。
『カライ博士の臨終 (サブタイトル略)』の出演は以下の通りです!
哲学教授 加来典重 / 高川 裕也
その妻 冬菜 / 一青 妙
医学部教授 早見博士 / 落合 弘治
主治医 煙 / 武田 洋
加来博士の直弟子 細木助教授 / 粟野 志門
看護婦 / 華 みき
語り / 小野田 由紀子
その他、みなさん数役を演じ分けます!
大忙しのパフォーマンスになる予定です。
ライブの詳細はこちらをどうぞ!
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
2月 7日(金) 8日(土)
「留守」
「カライ博士の臨終 -人生の最も厳粛であるべき瞬間に、わたくしがもし笑ひの衝動をおさへることができぬとしたら、いつたいどんな罪に問はれるであらう?」
演出 青柳 敦子
出演 高川 裕也 一青 妙 落合 弘治 小野田 由紀子
武田 洋 華 みき 粟野 志門
演奏 佐野 篤
7日 開場19:00 開演20:00
8日 1st 開場13:00 開演14:00 2nd 開場17:30 開演18:30
チケット ¥3,800 ご予約はこちらへ
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