あおさんのブログ
こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。
カテゴリー「MANDALA」の記事一覧
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- 2015.01.20 岸田國士を読む。2015冬 いよいよ間近!!
- 2014.09.15 そして夏が往く… その1「岸田國士を読む。夏」
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こちらは沈丁花……
花の香りに、ほんとうにウキウキします。
でも今年の私は花粉症……。どうやら本当に本格的にデビューのようです。(笑)
さて、おかげさまで全4グループが無事に終幕いたしました「岸田國士を読む。冬」
Team 青柳&山上、休憩をはさんだ後半の様子をご紹介させていただきます。
こちらは戯曲『モノロオグ』の一場面です。
演出は、山上優さんが担当しました。
知らない間に引っ越していってしまった男。住人がいなくなった部屋で、女がつぶやく男への思い……。そこから浮かび上がるのは西洋からやって来た異人さんだった男との愛の日々…? 男への思いに揺れる女心と、気丈に振舞おうとする意地とがしみてくる舞台でした。
この作品を芝居として上演する時には、女優がたった一人きり、四方を部屋の壁に囲まれたイメージで演じることになると思いますが、そこはリーディングライブ。優さんはリーディングならではの演出を加えました。
時折ナレーションを挟む男に言葉を掛けたり、直接お客様に話しかけるように語ったり……。
二人の間に微妙な空気が漂って……
もしかしたら芝居として演じるよりも効果的だったかも? と思いました。
そして最後の演目になったのが、エッセイ『女らしさについて』
この、笑いを誘ったいでたちは、優さんの持ちキャラの一つです。
優さんは、フランスに渡り、フィリップ・ゴーリエ氏のもとで演劇の修行をしてきましたが、そのトレーニングの中で「クラウン」を演じるのだそうです。
この男装はそうした優さんの演劇キャリアの中から生まれたキャラクターです。
女らしさとはなんなのか? 女性は全員もれなく女らしい。幸せな結婚も、幸福な恋愛も、女性の「清純」なコケットリーから生まれるのだから、どうかひとつ、女性の皆さん頑張ってほしい!! というような内容……とまとめてしまうと身もふたもないのですが。(笑)
なんだか、今でも同じようなことを言う男性はいそうな感じです。
そこで今回は舞台に出演者全員が観客として陣取り、それぞれが共感するところしないところにリアクションしてみましょうということになりました。
稽古で初めて試してみた時、思いのほかみんなの反応がバラバラで、面白かったのです。
人数の都合(?)で青柳も一緒に舞台に上がってしまいました。(^_^;)
男性目線と女性目線だけでなく、男性同士、女性同士でもいろいろ反応が分かれましたよ!
本番の後、何人ものお客様から「あの拍手とか表情はみんなアドリブ? どこで反応するか決めてたの?」というお尋ねをいただきました。なんだかちょっとうれしかったです。
さて、皆さんはどんなところに共感するでしょうか?
一度全文を読んでみてはいかがでしょう……。
こちらの2本の作品も下記のアドレスでお読みいただけます。
青空文庫 『モノロオグ』
青空文庫 『「女らしさ」について』
マンサクの花が咲き、今日は沈丁花の花が咲いているのも見つけました。
こちら、マンサクの花です。
振り返れば 2月……。
おかげさまで「岸田國士を読む。冬」も全4チームが無事に終幕いたしました。
回を重ねるごとに、それぞれに個性が際立つようになり、また参加チーム同士の交流も持たれるようになってきて、その活況ぶりがとてもうれしいです。
ここで、ちょっとだけ Team 青柳&山上のライブの模様をご紹介しましょう。
まず幕開けは岸田國士のエッセイから『異性間の友情と恋愛』
男と女の間に友情は成り立つのか否か?
近代的な新しい男女間の関係法則は?
15分ほどのレクチャーをあの手この手の図説と笑いを交えて行いました。
男と女の間には~♪ 今も昔も変わらぬジレンマがあるのですねえ……。
続いてご覧いただいたのが、戯曲『恋愛恐怖病』
自由な恋愛に飛び込む勇気を出すのか出さないのか……。
見ている方がじれったくなる、友情⇒恋愛の行く末は?
今でさえ、告白やプロポーズはたいへんなことなのに、岸田國士がこの作品を書いたのは、大正時代。自由恋愛なんていう言葉も、まだごくごく一部の人たちのものだったようです。
夕暮れの浜辺で二人が「恋愛」へのステップを踏み越えそこねた翌朝、人間関係は意外な方向に動いていました。
右はナレーションの征矢かおるさんです。
なんと女は昨晩、たまたま自分を慰めてくれた別の男にその身をゆだね、求婚を受け入れたというのです。朝の光が二人の男を煌々と照らし出す中、これまた今でもありそうな、相手と彼女の心のありかの探り合い。その末にもたらされる答えは?? なんだか謎めいたエンディングに、見た方がそれぞれ色々な意味づけをしてくださったようです。
岸田國士の作品の面白さの一つに、「結論が一つに絞られない」というところがあるともいます。エンディングに明確な結末が用意されていない。いつも「で? どうなるのこれから?」が残る。この引っ掛かる感じが後を引く魅力だと思います。
今回も、お客様から「後からじわじわくる公演ですねえ」と言っていただきました。
数日たってもまだ反芻できるおいしさが残っている……これは本当にすごい事だと思います。
今日ご紹介した作品は、こちらのサイトでお読みいただくことができます。
もし興味をお持ちいただけたら、是非一度、文字でもお楽しみください。
青空文庫 『異性間の友情と恋愛』
青空文庫 『恋愛恐怖病』
気が付けば明日が初日です!! あわあわあわあわwwwww
出演者のご紹介を先日のブログで始めておりました。
引き続き、出演者をご紹介させていただきますね。
今回のプログラムは、エッセーと戯曲を組み合わせるという形で構成しています。
先日ご紹介したプログラムでは「女らしさについて」がエッセー、そして「モノロオグ」が女の一人芝居……というワンセットになっています。
女性のことに触れるなら、やっぱり恋愛に触れなきゃでしょ!
というわけで、もうワンセット……男女間のお付き合いをテーマに……ご用意しています。
それが「異性間の友情と恋愛」というエッセーと「恋愛恐怖病」という戯曲です。
タイトルだけでなんだか興味がわきませんか?(笑)
「異性間の友情と恋愛」というエッセーで、岸田一流の男女交際観を講じてくれるのがこちら……
とてもまじめで一本気。なのにどこかファニーなムードを漂わせてくれる、アニキ!みたいな方です。
あの手この手と工夫を凝らし、いつも山ほど稽古場にアイデアを持ち込んでくれる小長谷さん。
今回もいろいろ仕込んでくださっていますよ。その活躍をお楽しみに!!
そして「恋愛恐怖病」という戯曲で美しきお嬢様を演じてくれるのが
一青さんは、私が惚れ込んで毎回出演をお願いしてしまう女優さんです。
芯が強くてプライド高く、それゆえに素直になれない乙女心と、思いがけない大胆さを持ち合わせ、活路を切り開こうとする「女」を演じてくれます。
あ、今読みながら妙さんがそういう方だと思いかけた方いらしたでしょ? でもそれはあたらずと言えども遠からず……だと私は思っています。(笑)
妙さん……とても素敵な女性ですよ!!
そしてその素敵な女性を前に、ほっぺをピンクにしながら稽古に励んでくれているのが、同じく「恋愛恐怖病」で、独身貴族の若い男を演じてくれる
粟野君は私と同じテアトル・エコーの役者です。声優としても活躍していて、これからは自分でも作品を創りたいという意欲を燃やしているようですよ。楽しみ楽しみ。。。
稽古場での彼は、ひょうひょうとしていて、どこを押すと何が出てくるのか予測不能な感じの不思議な面白さを持っている人です。その面白さ、奥ゆかしさに魅かれて彼にも毎回出演をお願いしてしまいます。今回も……炸裂しています。(笑)
そして、4作品すべてにヴィオラ・ダ・ガンバという楽器で音楽をつけてくれるのが
今回改めて、アコースティックというか、生の楽器の音の存在感、力強さを再認識いたしました。
ヴィオラ・ダ・ガンバは中世に流行した、ちょうどチェロのおじいさんにあたるような楽器なのですが、その音の存在感さにはびっくりです! 中世の楽器というと、たとえばハンマークラーヴィアやリュートのように、現代の楽器よりはちょっとかそけき音色という印象を持っていたのですが、いやいやなんのなんの! どうぞその音色にもご期待ください!
というわけで、駆け抜けてまいりましたご紹介ですが、本番はもう明日と明後日です。
今年は幸いなことに雪にぶつかることもないようです。
どうぞみなさま
2月2日と3日の両日、ぜひ南青山マンダラへ会いにいらしてください!
最近私はこれしかやってないんじゃないかと思われるほど、一年を通じて頭から離れないイベントとなっております「岸田國士を読む。」
南青山マンダラさんの支援のもと、少しずつ少しずつ本当にやりたいことができるようになるための貴重な実験をここでさせていただいています。
その “ 南青山MANDALA Presents Reading Live 2015 岸田國士を読む。冬 " が間もなく開幕となります。
今回の参加は4グループ。私たちのグループがトップバッターとなります。
本番ももう間もなく、2月2日(月)と3日(火)です。
遅れ馳せながら参加メンバーのご紹介と、作品のご紹介をぽつぽつ始めてみようと思います。
今回今までと一番大きく違うのは、何と一つのグループに演出家が二人いるという点です。
一人は不詳私なのですが、もう一人がこちら…… 山上優(やまがみ・ゆう)さんです。
優さんはフランスの演劇に非常に造詣の深い、女優にして演出家です。
岸田國士自身もフランス文学を学び、フランスに遊学した経験があることなど、この企画とのご縁を感じます。
今回は「女らしさについて」に出演。
そして「モノロオグ」とう作品を演出しています。
この「モノロオグ」という作品がちょっとすごい代物で、登場人物は女が一人。
たった一人の登場人物で、30分を超える一幕を演じ切ります。
当然、たった一人でしゃべりっぱなし!!
その凄い役を演じてくださるのがこちら…… 征矢かおる(そや・かおる)さんです。
彼女もフランスに留学経験を持つ方で、つい先ごろ帰国なさったばかり。
このライブが帰国第1作になるそうです。
岸田國士とは深いつながりがある劇団文学座に所属の女優さん。
とても繊細なオーラを放つ女優さんです。
そして今回はリーディング・ライブということで、お芝居として上演する時には言葉として聞くことはできない「ト書き」を、お芝居の情景を説明する言葉として読んでくれる共演者が一人登場します。それがこの男性…… 亀井良太(かめい・りょうた)さんです。
亀井君は、私も所属する劇団テアトル・エコーの研究生です。
若干25歳! 今回の出演関係者では最も若いです!
テアトル・エコーに入団して2年足らず。ある舞台に出演しているところを山上優さんに見初められ、今回声をかけていただきました。
昭和初期に書かれたエッセー「女らしさについて」と一人芝居「モノロオグ」……
どんな仕上がりでみなさまの前に登場するでしょう?
とても楽しみです!!!
只今 ライブの詳細はこちらのサイトでもご覧いただけます。
FBページ https://www.facebook.com/reading.kishidakunio
イベントページ https://www.facebook.com/events/576442069155543/
CoRich舞台芸術! http://stage.corich.jp/theater_detail.php?theater_id=671
いよいよ本番! の投稿の後、すっかりご無沙汰になっておりました。
おかげさまで、暖かいお客様にたくさんお越しいただき、無事3回のライブを好評裡に終幕することができました。
ステキなお客様の反応をいただき、素晴らしいひと時となりました。
私はどうも自分のパフォーマンスにコメントするのが苦手です……。
仕掛け人(プロデューサーという勇気がない(^_^;))としては、常に大成功と言わなければいけない立場でもあるのですが、個人の心情としては「ああもしたかった、もっとこうすればよかった、あそこはあんなふうになってしまった…」というような反省も一気に湧き上がり……。
とはいえ、不評だったかと言えば、そうではない感想をたくさんいただき、でも「それは身内びいきって言うのよ!」とささやく声も脳裏に響き……。と、いつもあたまがグルグルいたします。
そんな混乱中の私ですが、それでも今回は、なにかひとつ、ステップアップできた……。
何かを掴めたように感じています。
このシリーズに参加させていただいて、今回が4度目の演出。
南青山マンダラという会場と、岸田國士という作家の作品と、リーディング・ライブというボンヤリした括りと、そんなこんなを自分の中でようやく一つ噛み砕けたように思いました。
ライブハウスの方から、出演した女優さんが「リーディングの枠を越えましたね」と言っていただいたとか……。嬉しいことです。
また、私自身も「今回の作品が、スタッフの間で、作品の内容に関して一番議論が盛り上がったんですよ、あそこは何だったんだろう、岸田はどうしてこんなやり取りにしたんだろう、って」というお話をいただき、それこそ「よかったよ」という一言よりもずっと深く心に響きました。
ともかく「台本を前にして読む」という基本的な約束事さえクリアすれば、どんな形の上演でもOK!というゆるい縛りの中で、参加グループがそれぞれ工夫を凝らしながら展開してきたライブ・シリーズです。
ライブハウスらしく、耳で味わってもよし。
戯曲作品らしく、目で鑑賞してもまたよし。
そんな形を求めながら、「日本語」や「日本の現代演劇の原点」と向き合って行く試み。
この旅はまだまだ続きます。
続けなければいけないと思っています。
続けたいのです。
その最初のステップを、今回で登ることができたのかもしれません。
次のステップがどこにあるのか?
また、五里霧中、魂を賭けた旅を続けていかなければなりません。
このシリーズで次にお会いできるのは2015年の2月の予定です。
もしまたご縁がありましたら、ぜひ南青山マンダラでお会いいたしましょう。
末筆ではありますが、今回出演してくださったキャストみなさん、蓄音機を演奏してくださった佐藤隆俊さん、音響の山崎哲也さん、マンダラの皆さん、会場にいらしてくださったお客様、そのほか、力をくださったすべての皆様に御礼申し上げます。