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あおさんのブログ

こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。

   
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昨日は大変な雪でしたね。
東京にいて、こんなに大粒の雪がばったばったと積もってゆくのを、本当に久しぶりに見たように思います。

都心では、ちょっとした傾斜で車が立ち往生し
坂の下では、前の車が何とか坂を上りきるのを待っている車が小さな渋滞を起こしておりました。

その道路をまたぐ歩道橋の上では、トゥルントゥルンに踏み固められてしまった雪(氷?)に足を取られないよう
手すりにすがりついて、一歩一歩、一足一足、おっかなびっくり、恐る恐る階段を降りてゆく人たちが列になり
これもまた、ちょっと珍しい渋滞になっていました。

そんな大変なお天気の中
仲間たちが集まってくれました。



2月28日に南青山MANDALAで開催されるReading Live「岸田國士を読む」のキャストとスタッフの面々です。

戸外の雪と寒さに反して、稽古場の中は熱気にあふれ、とても充実した手ごたえのある顔合わせとなりました。

それにしても、岸田國士の作品は本当に面白い!
大正から昭和の作家とは思えない新しさをたたえています。

天才は時代を先取りするなんていいますが
本当にそうなのだと思わざるを得ません。

私たちは、彼らがやったことをなぞっているに過ぎない。
何もかももう、ここにあるじゃないか!
そんな風にさえ思うのです。

さて、その岸田國士の作品がどんなライブに仕上がるか……
その様子を、ちょっとはまめにアップしていこうと思います。

そしてどうぞ2月28日には、みなさま南青山へお越しくださいませ!
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5月31日の木曜日
無事にライブリーディング「岸田國士を読む」
終えることができました。

昼の回、夜の回、どちらも90名を超えるお客様の熱気に迎えられ
とても温かなパフォーマンスにすることができました。

ご来場いただいたみなさま
本当にありがとうございます。

いつか、いつの日か、きちんとお芝居として上演してみたい!
そんな思いを胸に抱きながら、幸せな帰途につきました。

今回はとてもうれしいハプニングがたくさんありました。
その中の一つがこれです

松山政路さんのお友達から、松山愛佳さんにプレゼントされた本……

なんと、大正14年に発行された、岸田戯曲集「チロルの秋」です

もちろん会場に飾らせていただきました!
写真は愛佳さんのfacebookページにアップされているものです。

この本、装丁がとてもおしゃれ!
表表紙と裏表紙に、それぞれトランプのキングとクイーンと思しき図柄がシンプルな黒い線画で配置され、そして…それだけ……。
作品タイトルが、表紙にないんです!
本の背に「チロルの秋 岸田國士著」とあるだけ……
シンプルで粋! そんな感じです。

ヨーロッパの香りと、岸田國士のセンスの良さとがうかがえます。

この企画を通して、参加者全員、本当に岸田國士とその作品が大好きになりました。
絶対にまた何かやりたいと思います!!
その日が遠からんことを夢に見つつ……
いよいよ本番です。

今日です。

外苑前にあるライブハウス 南青山MANDALAです。

4日間続く ライブハウス主催のステージ READING LIVE 『岸田國士を読む』

その最終日です。

泣いても笑っても 今日が最初で最後……

こうなると演出家というのは空しいものですね

まな板の上の鯉……ではなくて そのまな板の上に上がれない存在になってします。


今回上演(朗読?)する作品は三つ……

『異性間における友情と恋愛』
これは昭和8年に月刊誌「婦人公論」に掲載された文章を、そのままレクチャー風に味付けし、プロジェクターでの図解を交えながらお聞きいただく形にしました。内容はとても面白いです。当時のモダンな「男女の関係」に対する洞察が、今日の男女の状況を予言しているかのようです! その上とてもユーモラス! 楽しんでいただけたら嬉しいです。

『ヂアロオグ・プランタニエ』
二人の女学生が自分たちの恋愛と結婚について告白しあう、かわいらしいシチュエーションです。
自由恋愛という言葉がもてはやされながら、まだまだ写真一枚、お式の当日まで相手に会うこともなく結婚させられるというパターンも非常に多かった時代……。自分から恋をうちあけるということに、今よりももっともっと勇気が要った……
その情景がとても生き生きと描き出されている作品です。
ほんとに、女の子の心理をこんなに細かく描ける「男性」作家って、一体どんな目をしてまわりを見ていたんでしょうね?

『チロルの秋』
岸田國士がフランス遊学から戻って、最初に書きあげた戯曲です。
フランスでもう1本書いていますが、日本で、日本の俳優が上演するために書いた作品という意味では、これが最初の本です。
とてもロマンティックで、尚且つファンタジック…という印象で受け取られている本ですが、取り組んでみたら、どっこい、骨太なリアリティがいろいろ仕組まれていました。それをどう表現できるか……後は俳優さんに全権委任です。

今回、このパフォーマンスのために、簡単な映像を用意しました。
ええ、私が作れる程度ですから、ホントに簡単です。
でもやりはじめたらいろいろ工夫したくなってきて……

結局、1時間ちょっとのパフォーマンスに対して、パワーポイント150枚を超える画面数になりました。作った本人んが「ひょえ~」という感じです。

それもうまく生きるかどうか……?
今宵を限りのお披露目です。

南青山マンダラHPはこちら

公演は 3時半から と 7時半から……
会場は開演の1時間前です。
ライブハウスですから、お好きなワンドリンクがついてます。
もちろんアルコールもあり……というより、ノンアルコールもあります! という感じでしょうか?(笑)

もしお時間がありましたら、どうぞお運びください。
5月31日 木曜日 南青山マンダラにて……
リーディング・ライブ「岸田國男を読む」……
だんだん本番が迫ってまいりました……

そして先日、この企画が毎日新聞で紹介されました。
うれしいことです。
しっかりと私の名前まで載せてくださいました。
ありがたいことです。

2012年5月17日 毎日新聞の記事です。



ちなみに、掲載されている写真は、私たちのグループではありません。
同じ「岸田國士を読む」のシリーズ、5月10日のパフォーマンスで、これまたやはり『チロルの秋』を上演しているみなさんです。
以前このブログで、5月に3回『チロルの秋』がライブにかかることをご紹介しましたが、1ヶ月足らず間に3回、5つの企画のうちの3企画で取り上げられる……。岸田國士の作品数を考えたら、すごい確率です。

『チロルの秋』……

やはり注目の作品なんですね。
……私も頑張ろっと……!!

そうそう、記事の文面にもありますが、今回出演の、松山政路さん、松山愛佳さん(文学座)親子は、これが初共演だったんです。とても素敵な、記念すべきタイミングに立ち合わせていただいています。

ライブに興味を持っていただけた方……
行ってみようかな? と思ってくださった方……
どうぞ会場の南青山マンダラさんへお問い合わせください。

南青山マンダラ
TEL: 03-5474-0411

〒107-0062 東京都港区南青山3-2-2 MRビル
最寄り駅は、地下鉄銀座線「外苑前」から5分。
出口(1A)より、ベルコモンズのある、青山3丁目交差点を左折。
ゆるやかな坂道の途中、右側です。
 
岸田國士のごくごく初期の作品『チロルの秋』
そのリーディング上演に挑んでいます。
 
南青山MANDALAというライブハウスが主催する、シリーズ企画「岸田國士を読む」の1本を担当させていただいています。
チラシもできてきました。

    

イベント4日間の共通チラシなので、とても賑やかです!!
私たちの本番は5月31日(木)のマチネとソワレの二回限り……。

さて、この『チロルの秋』という作品はとても独特の雰囲気を持っています。
まるで詩のように短く改行された台詞……
イタリアとオーストリアの国境にほど近いチロルの山村という設定……
「夢で愛し合いましょう」的なファンタジックなやりとり……

リリカルともセンチメンタルともロマンティックとも捕らえられているらしいこの作品に、今、是非とも上演したい理由を……岸田國士の思いを見つけたように思います。

岸田國士という作家は、大正から昭和にかけて、日本の新劇界の礎を構築し、その活動を牽引してきた人の一人です。
そして、童話作家の故・岸田衿子さんのお父さま。また、あの「大奥」のナレーションや「ムーミン」の声でおなじみの故・岸田今日子さんのお父さま。
そう言うと身近に感じていただけるでしょうか?

芸能一家だった岸田家……なのかと思いきや……
岸田國士は、陸軍のおエライさんの息子さんで、自身も幼年士官学校を経て陸軍士官学校を卒業し、久留米で陸軍少尉として働いたこともある人だそうです。
そして、軍人生活に嫌気がさし(言葉が軽くてすみません)、肺病を理由に退役。父の意向に完全に背き、東大の仏文科を経てフランスに遊学。文学の道に入っていったのだそうです。
 
さてさて、ここらかが本題です。
そんな岸田國士が、この『チロルの秋』を発表したのは1924年の秋。
あの関東大震災からちょうど1年がたった頃です。
 
一方で『チロルの秋』は1920年の晩秋が舞台、という設定になっています。
それは第1次世界大戦が終戦を迎えてから2年後。まだ戦後処理も生々しく進められているころです。岸田國士自身も、オーストリアとイタリアの国境を画定する委員会の通訳として、この戦後処理の現場に関わっていたそうです。
 
他にも、この作品の周囲には、いくつかの生と死に直面した岸田國士の人生の事件が見えてきました。
 
世界が初めて体験した「国家総力戦」。それによって桁違いに多くの死者を出した大戦。
その戦後処理にかかわった体験。
 
また、岸田國士が遊学先のフランスから帰国するきっかけとなった、父親の死。
父親とは、軍隊をやめたことなどがもとで勘当状態になっていたそうです。
 
さらに帰国後まもなく襲われた関東大震災。
彼自身も東京で被災したそうです。
 
多くの人の死の記憶と、復興にむけての熱を帯びたアクションが周囲に満ち溢れる中で、この作品は生まれたことになります。
 
芝居に登場するのは二人の男女。
亡くなった夫への愛と悲しみにひきこもろうとする女性。
生き残った者として、未来を見つめてゆきたい青年。
そしてそのどちらの体内にも、生きてゆくということと、愛の情熱は息づき続けています。それを無視してしまうことなど、誰にもできるものではありません。
 
岸田國士は、『チロルの秋』を通してそうした「生」の姿を、生々しく映し取ろうとしたのではないでしょうか。
ちょうど今、私たちが東北の大震災について語ろうとしても、どうしても言葉少なになってしまうように、当時の岸田自身の中にも言葉にできない思いが渦巻いていたのではないかと想像しています。
 
「詩的」と受け取られがちな、この戯曲の特殊な文体が、そうした思いの集積だと思って見ると、そこに思いもかけないほど深くてリアルな「人」の営みが見えてくるように思うのです。
 
いま、このタイミングでこの作品にふれることができる。
その事実が、ひときわ大きく繊細なものとして、私たちに沁み入ってきます。
いま、このタイミングでこの作品を上演する。(リーディングではありますが…)
その意味と意義を、大切に、大切に、作品を仕上げたいと思っています。
   
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