忍者ブログ

あおさんのブログ

こんにちは テアトル・エコーの青柳敦子です。「ぐるっぽ・ちょいす」というユニットで、舞台作品を作ります。ワークショップも開催します。人と人とのふれあいと、笑いを求めて今日も行く!! 一匹狼の演出家です。

   

カテゴリー「THEATRE ECHO」の記事一覧

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

俳優 納谷悟朗氏が亡くなりました。

  こちらが納谷悟朗さん(劇団テアトル・エコーHPより)

2013年3月5日のことだそうです。
ニュースなどでお聞きおよびの方もあるかと思います。

納谷悟朗の名前は
『ルパン三世』の銭形警部、通称 とっつぁん
『宇宙戦艦ヤマト』の沖田艦長
洋画では、クラーク・ゲーブル、ジョン・ウェイン などなど
幅広い役どころを演じる「声優」としてご存知の方が多いかと思います。

ですが本人は頑として、「俺は俳優だ」と言い続けておりました。

納谷さんは、私が所属する劇団テアトル・エコーの中心的な存在の俳優でした。

いつもちょっと突っ張っていて、その癖シャイ!
厳しくて、それでいてとても温かい
魅力的な方でした。

私は、10年ほど前に、オーディションでこの劇団の演出部に入りましたが、一番初めに演出させていただいた本公演の作品『エスケープ フロム ハピネス』に出演していただきました。
新入りが、入団2年ちょっとでいきなり本公演の演出を担当するという、ある意味暴挙だったわけですが、そんな中、本当に最初から最後まで、私を応援してくださったのが納谷さんでした。

「応援」はいつでも「優しい」という言葉とはイコールであはりません。
本当に、怒るときには怒り、笑うときには笑い、そしてその態度で、私を励まし続けてくださったように思います。

現場は決して穏便なムードばかりではありませんでした。
本当にいろんなことがありました。
そんなこんなを潜り抜けた後の打ち上げの席、お帰りになる納谷さんをみんなで見送った時、私の前に立っていた女優さんの方へ握手の手を伸ばした納谷さん。それに応えようと手を伸ばしかけた彼女の脇をすり抜けて、彼の手は私に差し出されたのです。
周囲がびっくりするのも気にせず、彼はがっちり私の手を握ってくださいました。
その瞬間の驚きは、今でも忘れることができません。

「青柳……おまえは思いっきりやれ! やりたいこと思いっきりやれ!! やりたいようにとことんやれ!!」

この言葉は私が入団早々の頃かけていただいたことばです。
私の宝物の一つです。

その納谷さんが亡くなって……
そのことを受け入れるまでに、まだ時間がかかりそうです。
なんだか未だに実感がわきません。
ブログにこのことを書くのにも、かなり迷いがありました。書いている今もまだあるようです。

べたべたとしたコミュニケーションを取るタイプではなく
かっこいい、ダンディーなたたずまいをいつも忘れない方でした。
お話するチャンスもそれほど頻繁ではありませんでした。
でも、いただいた言葉で、納谷さんとは繋がっていたと、勝手に信じていました。
今でも繋がっていると……

納谷さん、あちらには、山田康雄さん(ルパン三世でおなじみ)、八代駿さん(クマのぷーさんなどなど)、平井道子さん(初代サリーちゃん他)、キノトールさん(テアトル・エコーの座付き作家・演出家でした)などなど、劇団を盛り上げた方たちがたくさんいらっしゃいますね。
どうぞ皆さんとお会いになって、いろいろ、イロイロ、お話になっていますように……。


……合掌……



PR


本日は、テアトル・エコー第7期研修生中間発表公演『こぶとり』の千穐楽です。

こぶとり 今日で3日目。4回目の上演が、最後の舞台です。

もったいない。。。。。

舞台作品にかかわった後、とりわけそれがうまくいって、あたたかい評価をいただいているときにはいつもこの感覚がわいてきます。

もったいない。。。。。

本なら何十年あとになっても読み返すことができます。
テレビなら録画ができる。
映画だって再映もDVD鑑賞もテレビのオンエアもある。
絵画や彫刻ならずっと展示しておける。

だけど、舞台だけは、その時その場所に来てくださった方としか共有できません。
幕が下りてしまったら、ほんとうにもう二度と会うことができないのです。
その厳然たる「一回性」がライブ表現芸術の真骨頂でもあるのですが。。。。。

でも、もったいない。。。。。

そう思ってしまいます。
そう思えるほど、研修生の皆さんはとても真摯に作品と向き合い続けているように思います。

今回の公演では、ちょっと今までにない反応に出会っています。
連日、必ずのように、ふらっと観て帰ってくださるお客様があるのです。

出演者や劇団の関係者でもなく、演劇ファンというわけでもない。
「ここの前を通ったら、なんだか面白そうなので来てみました」
そう言ってくださる見ず知らずの方。
おひとりの方。。。。
二人連れのカップルの方。。。。
外国人の方。。。。
いろんな方が「ふらっと」見に来てくださっています。

熊倉一雄も首をかしげて「一体何があるんだろうねえ?この舞台」と申しておりました。
研修生の発表会と銘打ってあるのに、興味を持ってのぞいていただける。
入場無料の気楽さがあるのでしょうか?
太宰治の、あるいは「御伽草子」の『こぶとり』という作品の魅力と認知度でしょうか?
劇場に、なにかいいエネルギーがみなぎってきているのでしょうか?

ともかく、劇団の本公演ではあまり見られない現象に、うれしい疑問を抱いております。

映画や美術館賞に比べると、演劇鑑賞にかかるお金は高額です。
前者はだいたい1000円台で楽しむことができますが、ちょっと大手のプロの舞台だと、4000円、5000円は当たり前です。ミュージカルやオペラなどになると、これがたちまち10000円近くにまで跳ね上がったりもします。「それでも尚且つ観たい」と思ってくださる方が、出費の覚悟と時間の確保をして観に来てくださるという状況があります。なので、「へえ面白そう」という軽い気持ちでのぞいてくださるということがあまりないように思います。

でもそれが今回は違う。。。。。。

ごくごく一般の方たちの中にも、お芝居を気軽に楽しんでみたい、という気持ちはあるのじゃないか、ということを今回の「ふらっとオーディエンス」の方々から知らされたように思いました。

「われわれは、もっともっと考えなきゃいけないねえ。難しい問題だし、すぐになんとかなるというものでもないとは思うけれど、でも何かしなければいけないねえ」と熊倉氏曰く。
ほんとに、作品の魅力を、観る前にピンと感じさせるものって、何なんでしょうねえ?


本日初日を迎えます。

  劇団テアトル・エコー第7期研修生の中間発表公演です。

演目は、太宰治:作、熊倉一雄:指導・演出の……

こぶとり  「御伽草子」より『こぶとり』です。

過日、このブログに書きましたが、プロを目指してエコーの研修生となり、1年のトレーニングを積んできた若人たちが、その成果をこの作品でみなさまに見ていただく、小さいながら、とても大切な舞台です。

私はこの舞台で歌唱指導を担当し、その上数年ぶりにピアニストとして舞台に上がります。昨日はその舞台稽古。演技はもちろん、衣装、大道具、小道具、照明、音響、メイクやヘアスタイルまで、全てを本番通りにして行う通し稽古でした。「すみません、本番の時って、何分前ぐらいに舞台袖にスタンバイしたらいいんでしょう?」なんていう初々しい質問を受けて、かえって戸惑ってしまう自分がいたり、「どうしよう、劇団員の☆☆☆さんが見に来てる!!」とファン精神いっぱいに盛り上がる乙女を見て「ああ、劇団員ってそういう存在なんだ~」と再確認したり…いろんな意味で若さと熱気にあふれる楽屋にいることがとても楽しいです。

通し稽古を終えて感じたことは……
「舞台にのるのってなんて楽なんだろう!!!」
ってことでした。(俳優さんごめんなさい!!)

本番の緊張、ミスが許されない状況、そういうテンションはもちろん山盛りにあるのですが、既にレールがきちんと敷かれ、ゴールに向かって進むべき道が示されているということが、こんなに楽で楽しいものだったのかということを、なんだかとてもうれしく再確認しました。作品に対する評価も、自分に対する評価も気にしない。ともかく舞台に上がっている間は、この瞬間に集中して、作品を生きることだけに専心していることが許される。それはそれは久しぶりの幸せな感覚でした。

そして何よりも、舞台の上の仕事は、
孤独じゃない!!!

これが最高ですね!

演出の仕事はある意味孤独です。
誰にも泣きごとを言うことも許されず(結構やってるかもしれませんが…(^_^;))、たった一人で作品の仕上がりに責任を取っていかなければいけない仕事です。その孤独な感覚と、今の感覚のなんと違うことか!!!

研修生の皆さんにとっても、この舞台が幸せな瞬間でありますように!!

本日より3日間、4回の本番が幕を開けます。
どうか一人の怪我もなく、無事に千穐楽を迎えられますようにと、祈るばかりです!!


今日は2月1日。早くも2012年の12分の1が過ぎ去ってしまいました。
早い。早すぎる!!!

科学者の研究によると、時間の経過に対する感覚は、それ以前に経験した人生の長さとの対比で、「長い」と感じたり「短い」と感じたり、反応が変わるのだそうですね。
たとえば1歳の子にとっては1ヶ月は人生の12分の1。10%近い割合を占めることになります。そうするとその子にとって1ヶ月はとても長い。一方で、50歳の大人にとって1ヶ月は、人生の600分の1。0.2%にも満たない時間になってしまいます。そうするとさほど長いとは感じない。
そんな差があるのだそうです。

それに加えて、夢中になって何かに打ち込んでいると、あっという間に時間が過ぎるとか、退屈な、苦痛な時間は長いとか、そういった「内容」の差で感じる長さの違いもあるわけですから、その感覚はより一層複雑に変化しますね。

「人はみんな、同じ時間の経過を体験していない」と言ったのは、アインシュタインでしたっけ?

さて、もうすぐ2012年最初の舞台が幕を開けます。

 ホームグラウンドのテアトル・エコー関連の舞台です。

関連…とあえて書いたのは、劇団員の舞台では「ない」からです。では誰の??

実は、これからプロになることを目指して研鑚中の劇団研修生たちが上演する、中間発表会の舞台なのです。この舞台で、私は歌唱指導と本番の伴奏ピアノを担当します。
人様に聞いていただくための演奏をするのは数年ぶり! もう、研修生より私のほうが緊張してしまいそうですっ

こぶとり 作品は、太宰治作「御伽草子」より『こぶとり』

演出・指導は劇団の重鎮、熊倉一雄が担当しているのですが、これがほんっとにもう、なんともぜいたくな稽古!!

まだ経験の浅い若人たちにイメージを伝えるためには、熊倉一雄自身が「お手本」を演じて見せることがしばしば。そこに垣間見える彼のからだの動きの切れのよさ!(御年80歳を超えているのですよ!)、役や台詞に対するイメージの豊富さ、柔軟さ! まさに劇団を背負って60年以上の歴史を紡いできた人間の持つ才能と技術を惜しげもなくさらけ出してくれます。ああ、こういう人だからこそ、劇団を牽引し続けることができたのだと心から尊敬の念がわいてきます。
若い彼らには、その貴重さが、きっとまだわからないのだろうなあ、と思ったり、あたりまえのようにこういう人を前にして稽古ができる環境で演劇人生をスタートできることがうらやましいなあと妬んだり……私自身の感性も動きっぱなしに動いて反応しています。

トレーニングを初めて1年め。まだまだ経験浅い彼らですが、熊倉氏の指導にがっちり食いついて、とても素敵な変身を遂げつつあります。そんな場所に私も一緒にいられることがとても幸せです。

本番はもう間もなく! 私も伴奏譜を仕上げて、もうひと気合入れなくちゃ!

この公演、入場は無料です。
どなたでもご覧いただくことができます。
熊倉一雄自身もちょこっと舞台に登場してご挨拶を申しあげます。
よろしければ未来の名優たちを応援しにいらしてください!
アラカン!チラシ  『アラカン!』 昨晩 初日を迎えました!!

2011年11月11日です。「1」のオンパレード!!

なんだかとってもゲンがよさそう。


そして作家の唐沢伊万里さんから、初日大成功の報告メールが届きました。


某有名H劇場の制作の方が「宣伝します!」と言ってくれたとか
エコーにもゆかりのある翻訳家のSさんがほめてくださったとか

俳優さんたちもとても幸せそうな初日乾杯をしたのだそうです。

やったね!! 唐沢さん!!!

皆さん!!! 劇場に急げ!!!!!

これを見逃したらまずいですよ!!!




公演の詳細は、テアトル・エコーHPでどうぞ。チケットの予約もできます。

ちなみにこちらに、唐沢さん謹製の『アラカン!』の登場人物ご紹介リストがございます。
これを見てから劇場に行くと、より作品が楽しめそうですよ。

ではみなさん、恵比寿・エコー劇場へGO!

   
Copyright ©  -- あおさんのブログ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / Material by Crambon / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]